ときおり 俳句
2018年の俳句



   塩尻市俳句講座 十二月「冬木の芽」




蒼空に無言の決意冬木の芽

振り向けば己が靴音大枯野

月山のひとがた流し風冴ゆる



   塩尻市俳句講座 十一月 「菊」




参道の裸電球菊花展

菊日和円空仏の鉈の跡

乱れ咲く野菊の古道湯の香り



   塩尻市俳句講座 十月 「紅葉」




ぐい?みに紅葉浮かべぬ地図の旅

頂上に亡き影さがす紅葉山

千日を歩く行者や夕紅葉



   塩尻市俳句講座 九月 「露」




億万の露を眠らす闇夜かな

露こぼれ水面の雲を壊しけり

奥山の露けき白馬御射鹿池



   塩尻市俳句講座 八月 「敗戦忌」




亡き父の黄ばみし日記敗戦忌

敗戦日また戦争の靴の音

深山に一人八月十五日



   塩尻市俳句講座 七月 「紫陽花」




紫陽花の谷の暗さやけものみち

雨垂れに揺るる紫陽花猫の声

紫陽花寺赤きヒールの登り来る



   塩尻市俳句講座 六月 「郭公」




郭公や色とりどりの山の樹々

まだ白き逆さ富士揺れ遠郭公

郭公や紺碧の空に父送る
ときおり 俳句 表紙 HOME 旅のフォトメモ
      
俳句の無断使用・無断転載はご遠慮下さい