ときおり 俳句
2024年の俳句
　　　塩尻市俳句講座　十二月　「雪」 初雪や思ひ出したる名のひとつ 銀杏落葉の思ふ存分黄なりけり 二十億光年への旅谷川忌 
 
　　　塩尻市俳句講座　十一月　「綿虫」 　朝日俳壇入選 大串章選 十一月二十四日 綿虫に世の行く末を問うてをり 木の精の骸のごとし朴落葉 この道は縄文の径枯茅野　 
 
　　　塩尻市俳句講座　十月　「草紅葉」 朽ち果てし閉ひ小屋あり草紅葉 柔らかく団栗落つるトタン屋根 何処へでも行ける地図帳初紅葉  
 
　　　塩尻市俳句講座　九月　「稲 稲田」 其の日まで肥らせてをり稲雀 蜩の声降り積もる重さかな 月光や見破られたる嘘ひとつ 
 
　　　塩尻市俳句講座　八月　「お盆」 離岸流夜へ精霊流しかな 夏草に列車のなごり廃線路 　　　　　　　　　 　　　　　　　　　しょうじ 観る者の生死は問はず盆の月 
 
　　　塩尻市俳句講座　七月　「星祭」 星合や到着便のアナウンス 様々な丸き背くぐる茅の輪かな 駄句まるめ放物線や雲の峰 
 
  　　　塩尻市俳句講座　六月　「紫陽花」 極楽か地獄か闇の濃紫陽花 宙を観る我に構ふな蟇蛙 朝ドラの男は軽し初螢
 
　　　塩尻市俳句講座　五月　「田植」 千枚の空に浸かれり田植衆 頂上は三角点のみ青き風 幾度目のあと何回の田植かな 
 
　　　塩尻市俳句講座　四月　「山葵」 山葵植う潤す水のあかるさよ 青空をすこし盗めり落雲雀 銀河系地球が住処いぬふぐり 
 
　　　塩尻市俳句講座　三月　「沈丁花」 　信濃毎日新聞　信毎俳壇　佳作 石段を沈丁の香の降りてきし アルプスに向かって春の起工式 　信濃毎日新聞　信毎俳壇　入選 春の雪直火強火でナンを焼く 
 
　　　塩尻市俳句講座　二月　「寒」 ゆらゆらは大地か我か寒雀 能登の地を甦らせよ鰤起し 　　輪島市　興禅寺 門前に「負けてたまるか」寒の晴
　　　塩尻市俳句講座　一月　「正月」 指先を逃げる釣銭年の暮 初日射す嘆きの壁の嘆きにも この星も微熱続けり玉子酒
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